「ストーカー気質」に関する専門家の意見やアドバイス
ストーカーになるのを防ぐ思考法
恋愛に依存する傾向のある人は、相手に執着し、いつまでも終わった関係にすがってしまうことがあるようです。『恋愛依存症-苦しい恋から抜け出せない人たち』(伊東明)には、以下のような記述があります。
「(前略)恋愛依存症というのは、かたよった形で恋愛やセックス、パートナーにしがみつくことである。だから、この『執着を捨てる』という話がそのままあてはまる。執着を捨てるとは、心理学的にいえば、強迫性から抜け出すことだ。強迫性が恋愛依存症のキーワードの一つであることは再三述べてきた。
では、なぜそうしたものに対する執着が捨てられないかというと、心の奥深くにたとえば次のような信念が形成されているからである。
『自分の欲求は、恋愛によってしか満たすことができない』
『この人がいなくなったら、私は生きていけない』
『私がいなくなったら、この人はダメになってしまうだろう』
『セックスだけが、自分の唯一の慰めだ』
『私を生まれ変わらせてくれる、完璧な人が必ずどこかにいるはずだ』
『すべては、自分の思い通りに事が運ばなければならない』
『あの人から愛されるためには、こうしなければならない』
『私を愛してくれるのは(私のことをわかってくれるのは)、この人だけだ』
『私だけが、この人のことをわかってあげられる』
『恋愛こそが自分のすべてだ』
このように、『これしかない』『あの人しかいない』『私しかいない』という視野狭窄な考え方や『~しなければならない』という義務感・脅迫缶が、恋愛依存症の基底にある。だから、恋愛依存症から回復するためには、それを捨て去ることが必要なのである。捨て去るというよりは、『手をはなす』というほうが、イメージ的にわかりやすいかもしれない。
(中略)
ここでも先に述べて認知療法が有効であり、今までの考え方を書き換える作業をするとよい。たとえば、
『恋愛だけが自分の欲求を満たすことができる』→『他にも欲求を満たす道はたくさんある。恋愛もその一つだ』
『私は絶対にこの人から愛されなければならない』→『この人から愛されれば幸せだ。でも、他にも私を幸せにしてくれる人はいるだろう』
『こうしなければ愛されない』→『これで相手が喜んでくれれば私もうれしい。でも、そうでないことももちろんあるだろう。それは仕方がないことだ。自分なりに無理をしない程度にがんばればいい』
といった具合である。
パートナーにしがみついてしまう、また、相手の世話を過度に焼いたり、相手をコントロールせずにはいられない共依存症にとっては、特にこの『手をはなす』というプロセスが重要である。パートナーからもっと手をはなすことを学ばなければならない。」
このように、恋愛対象や恋愛そのものに執着してしまうのは、不健全なことだと自覚する必要があるようです。「ストーカー」と呼ばれてしまう前に踏みとどまりたいものです。
どんなことでも相手からの反応が欲しいストーカー
好きな相手から褒められると、誰でも嬉しいものです。一方で、嫌がられるような感情を抱かれても嬉しいと感じてしまうのが「ストーカー」なのかもしれません。ストーカー気質の人たちは、嫌がられているのがわかっていても、なぜそのような行為をやめられないのでしょうか。『「なるほど!」とわかる マンガはじめての恋愛心理学』(ゆうきゆう)には、以下のような記述があります。
「ストーカー規制法が試行されてから、ストーカーが犯罪として認知され、ニュースなどでもよく取り上げられるようになりました。
相手の気持ちを無視して、執拗につきまとうストーカー。相手が不安になったり、嫌がったりしていてもやめようという気はありません。好きな相手に対して、わざわざ嫌われるようなことをしてしまうのは、ストーカーにとって、『嫌われる』『イヤがられる』ことは、『相手とまったく関わりがない』よりずっと幸せなことだからです。
心理学では、人から人への行為全般を『ストローク』といいます。このうち、『ほめる』『笑顔を向ける』などをプラスのストローク、『けなす』『怒る』などをマイナスのストロークといいます。
人はもちろん、プラスのストロークを受けたときに最も幸せを感じますしかし、それが受けられない場合、マイナスでもいいから何らかのストロークが欲しくなります。
つまり、ストーカーは『無視する』ことが一番です。しかし、ストーカーには嫌われている自覚もあり、そのため失うものはないと思っているので、少々のことではめげません。
困ったときは第三者や警察に相談するほうがよいでしょう。
元恋人がストーカーに……
警察庁の調べでは、ストーカー加害者の約6割は配偶者(内縁、元恋人等含む)。見知らぬ人よりも、身近な存在が圧倒的に多いといえます。
行動がエスカレートしやすい
心理学的には、ストーカーは『無視』するのが一番だが、すると『伝わっていない』と思って行動がエスカレートすることも。ゆがんだ愛が憎しみに変わることも多い。危険を感じたときは、第三者や警察に相談したほうがよい。」
このように、ストーカー気質の人たちは、たとえネガティブな反応でも構わないので、執着する相手からリアクションを得ることを目的としているようです。しつこくつきまとってくるストーカーは「無視」するのが一番でしょう。
<参考文献>
『恋愛依存症-苦しい恋から抜け出せない人たち』(伊東 明)
『「なるほど!」とわかる マンガはじめての恋愛心理学』(ゆうきゆう)
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